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初期局面
 

振り飛車穴熊の全手順

上の盤面で1手ずつ進めながら読める解説を、ここに全文まとめて掲載しています。

  1. —第0手
    振り飛車穴熊(四間飛車穴熊)の基本手順を学びます。

    ✅ 強み:将棋最強クラスの固さ。玉が隅に潜ることで相手の攻めを受けにくくなる

    ❌ 弱み:囲い完成まで多くの手数がかかる。途中の隙を突かれやすい

    💡 使いどき:長期戦でじっくり固めたいとき
  2. 1▲7六歩
    定番の初手。角道を開けます。穴熊は振り飛車・居飛車どちらでも使えます。
  3. 2△3四歩
    後手も角道を開けます。互いに角道を開けただけで、まだ戦型は決まっていません。
  4. 3▲6八飛
    飛車を6八に振ります。これで2八が空き、玉が右端へ向かえます。四間飛車の出だしです。
    由来振り飛車穴熊は最強クラスの守りです。
  5. 4△8四歩
    後手は8四歩と突いて、飛車先の歩を進めます。先手が振り飛車なら、この筋は先手玉から遠い側になります。
  6. 5▲6六歩
    6六歩と突いて、角の利きを止めます。飛車を振った際に角道が開いたままにならないようにします。
  7. 6△8五歩
    後手は飛車先の歩をさらに進めます。先手はここで8六の地点を守る必要が出てきます。
  8. 7▲7七角
    角を7七に上がり、後手の8五歩前進を受けます。これで△8六歩の速攻は成立しなくなりました。
  9. 8△6二銀
    後手は銀を6二に上がり、囲いの準備を始めます。6二の銀は、このあと5三から中央へ使っていきます。
  10. 9▲7八銀
    銀を7八に上がり、角を支えます。囲いの準備も兼ねています。7八に上がった銀は、のちに6七へ進んで穴熊の壁になります。
  11. 10△4二玉
    作戦が決まったので、相手の飛車から遠ざかる形で玉を囲います。振り飛車が相手のときは、飛車から遠い側へ玉を運ぶのが基本です。
  12. 11▲4八玉
    先手も玉を囲います。右端を目指して移動を開始します。穴熊は玉を1九の隅まで運ぶので、ここから何手もかかります。
  13. 12△3二玉
    囲いを進めます。玉が端に向かって移動しています。後手も同じように、玉を端へ寄せて固めていきます。
  14. 13▲3八玉
    同じく囲いを進めます。玉が右方向へ進みます。穴熊は手数がかかるぶん、急戦を仕掛けられると間に合わないことがあります。
  15. 14△5二金右
    船囲いの完成です。このまま戦っても良し、発展させても良しの万能な囲いです。
  16. 15▲2八玉
    先手も囲いを進めます。玉が2八へ到達し、穴熊まであと一歩です。あとは香車を上げて1九を空ければ、玉が潜れます。
  17. 16△5四歩
    囲いが決まったので、5筋の歩を突き、右銀の活用を見せます。中央に手をつけておくと、穴熊に潜ったあとの反撃がしやすくなります。
  18. 17▲6七銀
    まだ囲いを決めずに、一度左銀を活用します。早い動きを見せて相手をけん制し、安全に穴熊に組むためです。
  19. 18△5三銀
    後手も銀を三段目に上がり、上部に手厚くします。穴熊は玉が遠いので、こうして攻撃陣の整備に手をかけられます。
  20. 19▲5六銀
    銀をさらに上がり、次に▲4五銀と更なる進出を見せます。銀を前線に出して、相手に圧力をかけていきます。
  21. 20△4四歩
    ▲4五銀を防ぎます。歩を突いて銀の進出を止める、受けの基本です。
  22. 21▲4六歩
    一度、▲4五歩と仕掛けるような攻撃の足掛かりを作っておきます。囲いを固めるだけでなく、攻めの形も並行して作っておきます。
  23. 22△3三角
    △4四歩と突き、角道が止まったので囲いを発展させます。角を3三に上げて、穴熊に潜ったあとの働きも確保しています。
  24. 23▲1八香
    持久戦が確定したので、先手は穴熊にします。香車を1八に上げて1九を空けます。
    由来香車を先に進めて1九を空けるのが穴熊の重要な準備です。
  25. 24△2二玉
    後手も玉をさらに固め、穴熊を志向します。玉・金・銀・香の4枚で囲うのが穴熊の完成形です。
  26. 25▲1九玉
    玉が2八から斜めに1九へ潜りました。先手の穴熊が完成。あとは銀と金を締めて完成形を目指します。
    由来穴熊の名前は、玉が端の隅に「熊が穴に潜るように」収まる形から。
  27. 26△1二香
    後手も香車を引いて1一を空け、玉の入城を準備します。香車が1二に上がると、1一が空いて玉の入城路ができます。
  28. 27▲2八銀
    銀を2八に回して玉を守る形を整えます。穴熊の形がより強固になりました。
  29. 28△1一玉
    後手の玉が1一に潜りました。後手も穴熊が完成しました。これで双方が穴熊に組み合う、相穴熊の戦いになりました。
  30. 29▲3九金
    ▲3九金と締まって振り飛車穴熊の完成。1九玉・1八香・2八銀・3九金がそろった最強クラスの守りです。
    由来▲3九金と締まるのが振り飛車穴熊の完成形。これ以上固い囲いはないと言われます。
  31. 30△2二銀
    後手も2二銀と引いて囲いを固めます。双方穴熊が完成し、これから本格的な戦いが始まります。

振り飛車穴熊とは

名前の由来
香車を1マス前進させて空いた隅に玉が潜り込む様子が、熊が穴蔵に入るように見えることから「穴熊」と名付けられたと言われています。古くは「岩屋」「獅子のホラ入り」とも呼ばれていました。

江戸時代〜近代:邪道視された長い時代
振り飛車穴熊はもともと振り飛車の囲いとして江戸時代から存在しており、穴熊囲いの最古の定跡記述は添田仙翁『将棊駒組啓蒙』(1731〜1762年)に「岩屋囲い」として登場します。ただし、駒組みに手数がかかりバランスが悪いとして長らく低く評価されており、1960年代頃まではプロの間でも「穴熊などやるようでは強くなれない」という偏見がありました。

1970〜80年代:大内延介が穴熊党を確立
1970年代に入ると、大内延介九段が振り飛車穴熊の優秀性を示し、各棋戦で結果を残すことで人気戦法としての地位を確立しました。昭和50年代には大内延介・西村一義・福崎文吾ら「穴熊党」が活躍。福崎文吾九段の振り飛車穴熊は、谷川浩司九段をして「感覚を破壊された」と言わしめるほどの強烈な印象を残しました。

居飛車穴熊の台頭と振り飛車の苦境
振り飛車穴熊の流行に続いて、田中寅彦九段が居飛車側でも穴熊に組む「居飛車穴熊」を体系化。居飛車穴熊は攻めの主導権を握りやすく勝率が高かったため、一時は振り飛車を絶滅寸前にまで追い込みました。これへの対抗として藤井猛九段が「藤井システム」を生み出し、穴熊完成前に攻略する作戦が注目を集めました。

現代:広瀬章人らによる復権
一時は下火になった振り飛車穴熊ですが、2010年に広瀬章人八段(当時)が振り飛車穴熊を駆使してタイトルを奪取するなど新たな可能性を示しました。また「フリアナ」の愛称で親しまれ、相振り飛車での活用など現代将棋においても研究が続いています。

📚 参考文献
・Wikipedia「振り飛車穴熊」(2026年8月23日参照)
・Wikipedia「穴熊囲い」(2026年8月23日参照)
・添田仙翁『将棊駒組啓蒙』(享保16年〜宝暦12年、1731〜1762年)
・日本将棋連盟公式コラム「居飛車穴熊の特徴と組み方」(2018年)(2026年8月23日参照)

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振り飛車穴熊の復習モード

基本手順の通りに駒を動かしてみましょう。駒をタップ(クリック)して選び、移動先をタップしてください。

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